アメリカの道には、無骨でたくましい「働き者」たちがいた。
1960年代、ファミリーカーとワークホースが交差した瞬間。
ピックアップでもバンでもワゴンでもあって全部を担っていた。
アメリカの「バス文化」の先駆けと呼ぶに相応しいこのクルマを、
今こそ、私たちの言葉で再評価したい。
【Greenbrierってどんなクルマ?】
1961年、シボレーが先出ししたコルヴェアシリーズの派生モデル──
それがグリーンブライヤースポーツワゴンだ。
スタイルはクラシックなワンボックス、
RR(リアエンジン・リア駆動)のユニークなレイアウト。
最大9人乗りという広いキャビンに、スライドではなくヒンジ式のサイドドア。
「バンでも、バスでもない」この一台は、
当時のアメリカで「ファミリーで乗れる」ワークカーとして珍重された。そしてその佇まいは、現代のミニバンカルチャーにも確実に影響を与えている。
【家族と荷物と、アメリカ・バス文化】
グリーンブライアーの最大の魅力は、
「家族が全員乗れて、仕事道具も積める」ことだった。
当時は、バス型のファミリーカーという概念がまだなかった。
セダンでもピックアップでも足りない、だけど大げさすぎない。 そんなアメリカ
ギャップを埋めたのがGreenbrierだったんだ。
ベビーブーム世代の家族旅行、週末のキャンプ、DIY用工具運搬──
生活と遊びの真ん中に、いつもこのワゴンがいた。
ドアを開ければ、懐かしいモケットシート。
エンジンの振動が少し床下に残る。
そんな不完全さが、逆に「家族の時間」を感じさせる。
【同時代を勝ち取っていたライバルたち】
当時、グリーンブライアーに似たポジションを狙っていた車たちも存在する。
フォードのEconoline(エコノライン)やダッジのA100などだ。
しかし、Greenbrierはエンジンをリアに積むという冒険をした。 これ
によりフロント周りが低く、視界が広い。
ドライバーと家族がより近く、車の素晴らしさが「部屋」のようだった。
見た目だけじゃない、構造独特がユニークだった。
それがGreenbrierを「ただのバン」とは呼べない理由だ。
【今こそ見直したい:Greenbrierの魅力】
この時代の車には、「効率」や「燃費」では測れない魅力がある。
-
レストアベースとしての人気
-
車内空間が広く、フラット化可能なので、キャンピングカスタムには向いている
-
アメ車イベントや旧車ミーティングでは、VWバスの陰に隠れがちだけど、逆に「通」うけする
アメリカ西海岸では、今でもGreenbrierでサーフィンに行く若者がいる。
ヴィンテージが、ちゃんと生活に溶け込んでいる風景。それがこのクルマのすごさなんだ。
【俺たちなら、こう使う】
もしこのGreenbrierを手に入れたたら──
どうする?
私はまずは、荷台を木張りして、折りたたみテーブルを設置。 サイドパネルにはグリルラックを取り付けて、昼飲み専用ワゴンに仕上げたい。
君たちならどうする?
ビンテージツール積んで、週末だけの「移動ガレージ」なんてのもアリだぜ。
【グリーンブライアーのポジションは?】
CHEVY WORKHORSESの幅広い中で、Greenbrierはちょっと異端な存在だ。
「働くクルマ」たちを再評価するCHEVY WORKHORSESシリーズにおいて、ファミリー、ライフスタイル、カルチャーという要素を超えていたのだ。
ハンドルを握るとわかる、鉄と人間の距離感。
このシリーズでは、そんな「距離感」を大切に記録していきたいと思っている。
次回は、また別の『仕事仲間』を紹介する予定だ。
それまでに、君たちの頭にもGreenbrierの風が吹いてくれれば嬉しい。
🔩シリーズとして語りたいこと
このシリーズでは、各車の以下をしっかり記録していきます:
-
どんな時代に、何をのために作られたか
-
なぜ今、再評価されているのか
-
私たちは現代でどう乗るか(相棒視点)
▶Greenbrierはその第2章。
機械としての面白さと、「生活感」を持ったワークホースの魅力が共存している。